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ボードゲームコラム

日経プラス1で紹介されたボードゲームランキングをまとめてみました!

ボードゲームソムリエ Naokiです。

日本経済新聞の「日経プラス1」の企画「何でもランキング」コーナーにて、
「思考力磨くボードゲーム」のランキングが掲載されました。

このランキングに私もかかわらせていただきましたので、
私個人のランキングとも比較しつつ、簡単にご紹介していこうと思います。

また、最後には新聞には掲載されなかった私の個人ランキングのゲームも
まとめておりますので、ご参考にしていただければ幸いです。

9位(同率):海底探検

(参考:https://oinkgames.com/ja/games/analog/deep-sea-adventure/)

2015年に開始した国内初の国産限定ボードゲームの賞において、初めて大賞を受賞したゲームです。

私個人のランキングでは8位にしていたので、概ね他の専門家の方と、同じような見解になった感じでしょうか。

すごろく形式のゲームですが、ただ単純に進むだけではなく、
どこまで進んでいつ帰るかに焦点を当てた チキンレースが見事に体現されている作品です。

特にリスクとリターンを考える戦略と駆け引きが、普段ボードゲームを遊ばない人にもわかりやすく、
それでいて箱もコンパクトにまとまっている点も収納場所に優しいという初心者にも安心なゲームといえるでしょう。

同率9位:ドメモ

(参考リンク:https://littleforest.shop/domemo/)

私が一番尊敬するデザイナーであるアレックス・ランドルフの代表作の1つです。

私個人のランキングでは6位でしたので、少し尊敬による好みの点が出ている感じでしょうか。

1〜7の数字のタイルしか使わないのですが、たったそれだけで予想がつかないような奥深さを
生み出しているゲームデザインの素晴らしさはお見事としか言いようがありません。

思ったより知られていない印象がありますが、日本語版も何回もリメイクされている作品なので、
気になる方は、また絶版にならないうちに購入することをおすすめします。

8位:ウミガメの島

(参考リンク:https://www.mobius-games.co.jp/franjos/Mahe.html)

こちらも先程のドメモと同じデザイナーのアレックス・ランドルフの作品です。

サイコロを振って進むすごろくなのですが、3回まで振ることができつつも、
欲張りすぎるとスタートに戻ってしまうというスリルがたまらないゲームです。

私はこのゲームの元ネタともいえる「冷たい料理の熱い戦い」というゲームを偏愛しすぎて(笑)、
このゲームをランキングに入れていなかったのですが、やはり安定な人気があると再認識できました。

7位:ウボンゴ

(参考リンク:http://www.gp-inc.jp/boardgame_ubongo.html)

ボードゲームの「パズル」という分野においては、金字塔といっても差し支えない名作の1つです。

テトリスのようなパネルを使って、いち早くパズルを完成させるゲームで、完成させると、
スワヒリ語で「脳」という意味の「ウボンゴ」を叫ぶ爽快感がたまらないゲームです。

パズルゲームは誰が遊んでも基本的には外さないので、その点を評価して、
個人的ランキングでは2位にしているほど、気に入っています。

ちなみに販売名称は「ウボンゴ スタンダード」になっていますが、これはさらにレベルアップした
「ウボンゴ3D」などと名称を差別化するためのものですので、購入する際は注意しましょう。

6位:ラミーキューブ

(参考リンク:https://www.masudaya.com/variety/toys/1-01.html)

ボードゲーム界で一番権威のある賞「ドイツ年間ゲーム大賞」にて、1980年に大賞に輝いた作品です。

今回、紹介されるゲームの中では、一番頭を使うゲームで、今回のテーマである「思考力」にあっていますが、
正直、万人向けのゲームとは言い難く、その基準で選ぶ私のランキングでは圏外でした。

ただ、世界的に人気なゲームで、世界大会も開かれるほどなので、ハマる人がハマれば、
将棋などの競技ゲームに 匹敵するほどの面白さを持つゲームだともいえますので、
考えるゲームが好きな人には向いているといえるでしょう。

5位:あいうえバトル

(参考リンク:https://www.gentosha-edu.co.jp/book/b640622.html)

はぁっていうゲームを開発したデザイナーの言葉当てゲームです。

相手の潜水艦を沈める2人用ゲーム「バトルシップ」というゲームがありますが、
バトルシップと言葉当てをうまくカジュアルに融合させた作品といえます。

日本語を使った言葉当てなので、誰でも気軽に楽しめるところが素晴らしく、
初版はかなり高額なゲームで、普段、ボードゲームをしない人は手を出しづらいものでしたが、
今では当時の半額以下の値段で手に入るようになり、お求めやすくなったのも嬉しいですね。

個人的ランキングでは5位に入れていたので、見事ピタリ賞となったのもちょっと嬉しいです(笑)

4位:コードネーム

(参考リンク:https://hobbyjapan.games/codename/)

ボードゲーム界で一番権威のある賞「ドイツ年間ゲーム大賞」にて、2016年に大賞に輝いた作品です。

今までに見たことのない斬新なゲームで、2016年当時は衝撃を受けたゲームで、安定の王道作品が
大賞になるかと思っていた矢先、その持ち前の切れ味で新たな歴史を刻んだボードゲームともいえます。

個人的にはこのゲームのデザイナーのフヴァチルは大好きで、彼の作品はいろいろと遊んでいるのですが、
正直、万人向けするゲームとは言い難く、思考力のあるゲームを好む方が特にこのゲームを好むといった
印象なので、万人向けのゲームを高評価している、今回の私個人のランキングでは圏外でした。

また、じっくり考えすぎてしまう傾向があったり(他のプレイヤーを待たせる時間が長くなりがち)する点も
個人的には気になるところでもあるので、そのあたりが気にならないメンツで遊ぶのが良いでしょう。

3位:タギロン

(参考リンク:https://jelly2games.com/tagiron)

相手の手元にあるタイルの数字と色を推理するゲームです。

ボードゲームの推理ゲームは、一般の方が思うミステリー的な推理とは違い、
論理パズル的なものに近いので、たしかに「思考力」というテーマにあったランキングだと思います。

実は自分はこの作品は、個人的ランキングでは圏外だったのですが、これは3人以上のゲームという選定の中で、
このゲームの元ネタである「たぎる論理」というゲームが2人用だったこともあり、無意識にこのゲームも2人で
遊ぶのがおすすめと思ってしまっていたので、見逃してしまっていました。

ですが、今回、他の専門家の方も合わせて集計されていたので、自分1人だとこのゲームを紹介することに
至らなかったと思うと、結果的によかったと思えます。論理パズルなどが好きな人におすすめです。

2位:ジャストワン

(参考リンク:https://arclightgames.jp/product/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%B3/)

ボードゲーム界で一番権威のある賞「ドイツ年間ゲーム大賞」にて、2019年に大賞に輝いた作品です。

全員で協力して高得点を目指すゲームで、同じヒントを出してはいけないようにしなくてはならないのが面白く、
それでいて、正解しても失敗しても、コミュニケーションがとれる素晴らしいデザインになっています。

私の個人的ランキングでは、4位でしたが、それ以上の順位になっており、このゲームの人気を物語っています。

最大7人までできますが、人数が多いほど盛り上がるので、人が集まる時におすすめしたいボードゲームです。

1位:ディクシット

ボードゲーム界で一番権威のある賞「ドイツ年間ゲーム大賞」にて、2010年に大賞に輝いた作品です。

まさに1位にふさわしい作品といえるボードゲームで、私の個人的ランキングでも、1位でした。

個人的には、今回のゲームの中でも、ダントツでおすすめしたいボードゲームで、あまりにも面白すぎるため、
個人的には、他のボードゲームの存在感が薄れてしまうことも危惧してしまうほどです。

数多くの拡張が出ていますが、普段、拡張セットを買わない自分が、ほぼコンプリートする勢いで、
集めてしまうほど、納得の王道ボードゲームと言えるでしょう。

圏外になってしまったけど、個人的におすすめしたいボードゲーム

今回、私をはじめとする専門家の方がそれぞれランキング10を決め、
その集計で決まったのが、今回のランキングですが、私が選んだゲームの中で、
惜しくもランキング入りを逃してしまったボードゲームをご紹介したいと思います。

個人ランキング10位:キングドミノ

(参考リンク:https://tendaysgames.shop/?pid=128960191)

ボードゲーム界で一番権威のある賞「ドイツ年間ゲーム大賞」にて、2017年に大賞に輝いた作品です。

ドミノといえば、日本ではドミノ倒しで遊ぶものという認識がとても強いですが、実は海外では、
思考力を必要とするゲームとして認識されており、トランプと並び、世界4大ゲームとも呼ばれたりします。

とはいえ、テーマ性が一切ないので、とっつきづらいという印象はあるのですが、その古典ゲームに
テーマ性を組み込み、ほどよい戦略性のあるゲームに仕上げてある素晴らしいゲームです。

個人ランキング9位:トランスアメリカ・ジャパン

(参考リンク:https://www.groupsne.co.jp/products/bg/taj/index.html)

ボードゲーム界で一番権威のある賞「ドイツ年間ゲーム大賞」にて、2002年に最終ノミネートまで残った作品です。

このゲームが出るまで、鉄道をテーマにしたゲームは、長時間かかるゲームという印象が強かったのですが、
「30分で終わるように調整された鉄道ゲーム」という特徴が人気を博し、話題になったボードゲームです。

このバージョンでは、当時、アメリカしかなかったボードに、日本版にふさわしい都道府県を入れたボードが
オリジナルで入っているという点も、日本人にもとても親しみやすく、遊びやすいゲームになっています。

個人ランキング7位:もっとホイップを

(参考リンク:https://www.newgamesorder.jp/games/pieceofcake-1)

ケーキの切り分け問題をテーマにしたボードゲームです。

見た目がとても美しいデザインになっていますが、中身は今回、自分が選んだボードゲームの中でも、
一番頭を使う内容になっており、終始、頭を悩ませるゲームになっています。

そのギャップと戦略性が高いわりに短いプレイ時間など、個人的にかなりお気に入りのゲームです。

ただし、5人で遊ばないと、このゲームの真価は発揮されないと言っても過言ではないので、
5人集まる環境がある方に、ぜひともおすすめしたいゲームといえますね。

個人ランキング3位:クイズ!いいセン行きまSHOW!

(参考リンク:https://arclightgames.jp/product/%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%81%84%E3%81%84%E3%82%BB%E3%83%B3%E8%A1%8C%E3%81%8D%E3%81%BEshow%EF%BC%81/)

正解のないクイズでいいセンいってる回答をするゲームです。

個人的には多人数で遊ぶのであれば、トップクラスにおすすめしたいゲームで、
クイズゲームといえば、当然、知識が多い人が強い中、誰でも勝つチャンスがある
万人向けのゲームという点を評価して、この順位だったのですが、まさかの圏外・・・

これはおそらく、ボードゲームというより、クイズゲームという印象が強かったり、
思考力というテーマからすると、がんばって考えても他人次第で勝てないルールだから、
などの見解があるからなのかもしれません(個人的にはフェルミ推定っぽいところが思考力と思ってますが)。

まとめ

今回、他の専門家の方たちと合わせて、ボードゲームの選出をした企画になりましたが、
自分の視点が他の専門家の方とどう違うのかを気づくきっかけになったのは興味深かったです。

特に、「万人向け(ボードゲームを全く遊んだことのない人でも遊べる)ゲームかどうか」の
視点の差で、自分が想定していなかったゲームがランキングに入ったりしていたのは、面白かったです。

また、これはボードゲーム始めた頃からの癖的なものもありますが、どうしても、ドイツ年間ゲーム大賞をはじめ、
このゲームが、当時、どういう魅力があって〜などのゲーム性以外の部分を評価しがちな面があるということも、
このような他の専門家の方とご一緒させていただける企画があったからこそ、気づけたと思います。

ボードゲームは、誰でも100%面白いと思ってもらえるものは正直存在しません。

ゆえに、自分も今回のような企画では、できる限り、万人向けのゲームを紹介するように心がけていますが、
それは逆にいえば、戦略性の高いゲームを求めている人にはミスマッチなゲームになっている可能性もあります。

その上で、今回の企画では、他の専門家の方とご一緒にやらせていただけたのはとても貴重な経験だと感じました。

多くの方にボードゲームの魅力が届けられるように、これからも精進していきます。ありがとうございました。

by ボードゲームソムリエ Naoki

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