ボードゲームソムリエ Naokiです。
2022年は家族が増え、おめでたな年になりましたが、その影響もあり、ゲームを遊ぶ数は随分と減ってしまいました。
コロナもあいまって、鬼のように購入して遊んでいた頃が懐かしく感じますが、
ベスト10をまとめられるくらいには遊べましたので、毎年恒例にならって、まとめようと思います。
他のおすすめ記事とは違い、ボードゲームソムリエの好みが色濃く出ていますが、ご了承ください。
歴代10選はこちら
2022年キワモノゲーム10選
2021年ベストゲーム10選
2020年ベストゲーム10選
2019年ベストゲーム10選
2018年ベストゲーム10選
2017年ベストゲーム10選
2016年ベストゲーム10選
2015年ベストゲーム10選
選抜基準
- 2022年1月1日から2022年12月31日の間に遊んだゲーム
- ボードゲームソムリエがその中で面白いと思ったゲーム
- 遊びやすさ、入手のしやすさなどは全く考慮しておりません
- あくまで順位付けのランキングではなく、”10選”になります
No.001『カフーツ』
デザイナー:Ken Gruhl
発売年:2017年(日本語版は2022年)
入手難易度:★★★(日本語版は★1)
2020年エキスパートゲーム大賞になった「ザ・クルー」のトリックテイキングをウノに変えたバージョンということで話題になっていたのでプレイ。
実際、遊んでみると、ウノなのでトリックテイキングを知らない人でもわかりやすく、手札が4枚しかないので、うまく出せないときはしょうがない運のほどよさもちょうどよく、お題も10枚以上あるので、テンポよくクリアしていくのに爽快感があったりと、話題になるのも納得のゲームだった。
プレイ前は、話題になった「ザ・クルー」をウノで体現してみるというコンセプトでデザインされていたかと思っていたが、こちらのゲームの方が先に発売されていたので、もしかしたら「ザ・クルー」はこのゲームが発想の元になっていたのかもしれないと思うと、いろいろと感慨深い(もしかしたら、大賞になっていたかもしれないとか笑)作品といえる。
No.002『ドリームオン!』
デザイナー:Alexandre Droit & Julien Prothière
発売年:2017年(日本語版は2019年)
入手難易度:★★(日本語版は★1)
ストーリーをつくっていくタイプのゲームは、大喜利的な要素もあって、なかなかストーリーが思いつかなかったり、言えたら言えたでちょっと恥ずかしくなってしまったりと、あんまりいいイメージを持っていなかったのだが、そのイメージを一気に払拭するほどの面白さを兼ね備えたゲーム。
ストーリーが良いかどうかよりも、記憶できているかどうかが肝なので、ストーリーのクオリティは、あんまり気にしなくていいところや記憶力が苦手でも他の人に助けてもらう協力ルール、脈絡のないストーリーを出してしまっても短い制限時間の中なので、「なんだそれ!」と笑いあいながら楽しくできるところが秀逸。
ストーリー大喜利や記憶ゲームという、ゲーマーから疎まれがちなゲームシステムを見事なパーティーゲームにシンプルでまとめあげた素晴らしい作品といえる。
No.003『ワーリング・ウィッチクラフト』
デザイナー:Erik Andersson Sundén
発売年:2021年(日本語版は2022年)
入手難易度:★★★(日本語版は★1)
今や、ドイツ年間ゲーム大賞並に信頼されているといっても過言ではない「スカウトアクション」で3位にランクインしたことから話題になっていた斬新なドラフト&バーストゲーム。
とにかく資源を生み出して、隣の人にまわして溢れさせると得点になるのだが、これが今までにないような新しいプレイ感を生み出しており、それでいて同時プレイなこともあって、待ち時間なしで短時間ながらもボリューミーな体験を生み出すことに成功している。
鍋のコンポーネントも世界観の演出に見事にマッチしていて、スカウトアクション以外にあまりノミネートされていないのが不思議なくらい(もしかしたらイラストがちょっと暗すぎるデザインが影響しているかもしれないが笑)、完成度の高い作品だ。
No.004『バス』
デザイナー:Erik Andersson Sundén
発売年:1999年(新版は2019年)
入手難易度:★★★
オランダの知る人ぞ知る重ゲーメーカー「スプロッター」(今ではフードチェーンマグネイトである程度有名にはなったが)によるワーカープレイスメントの元祖とも呼ばれる作品で、かなりのレアゲーとしても有名だったが、まさかの20周年でリメイクされて念願のプレイが実現。
ルールは2pほどで収まってしまうほどのシンプルさながら、運の要素は皆無のガチゲーで、それでも運要素0のアブストラクトが苦手な(ついでに言えば、重ゲーもそこまで好きではない)自分でも楽しめてしまう今までにないプレイ感のワクワクさを生み出す手腕はさすがの一言。
スプロッターのゲームはレアなものが多いのがネック(自分もやりたいと思っているが、重ゲーがそこまで好きではないので、がんばって探して入手しようとまでは思っていない)だが、フードチェーンマグネイトやバスの影響がきっかけで、これからスプロッターの過去作がまたリメイクされて入手しやすくなることを願ってしまうほど、素晴らしいボードゲーム。
No.005『パームツリー』
デザイナー:Andrew J. Smith
発売年:2019年
入手難易度:★★★
箱のパッケージからはまず想像できない意表を突いたゲームで、間違いなく、今年一番笑ったゲームといえる。キワモノにも入れることを検討できるぶっ飛び具合だが、あまりに笑いすぎたので、ベスト10入りした。
やることはシンプルで、手番になったら、指定された指でカードを挟む。落としたら負け。それだけ!(笑)なのだが、ヤシの木感を出すためだけにプレイ人数6人分の”腕用ヤシの木タイツ”がこのゲームの面白さを底上げすることに成功している。というか、もう、このゲームの面白さの大半がこれに集約しているといっても過言ではない(笑)
ちなみにこのゲーム、ゲーム後半にココナッツカードも手に入れて、よりヤシの木感を味わえるのだが、指にカードを数枚挟むだけでツリそうになるため、あまりにも難しすぎて、全員で協力してがんばっても、ココナッツまでたどり着けなかった鬼畜難易度も個人的にはツボだった作品。今年のベスト・オブ・バカゲー!
No.006『ホリファイドゥ』
デザイナー:Prospero Hall
発売年:2019年
入手難易度:★★★
有名な怪物たちから街と住民を守るべく戦う協力ゲーム。パンデミックを遊んだことがある人なら、それをベースにしたシステムであることはわかるだろうが、パンデミックをよりライトなプレイ感にしつつも、ダイナミックなストーリーや展開を生み出すことに成功している。
特に敵となる怪物たちを倒すための方法が全員違う点(これによって、攻略法がワンパターンになりづらく飽きない)、ダイスによって敵からの攻撃のダメージが予測できない点(よくあるゲームなら敵を倒すためにダイスを使うのだが、このゲームでは敵を倒すためにランダム要素の強いダイスは使わない!)など、細かい部分の調整が素晴らしく、見事なファミリーゲームだと感じた。
ちなみに、レベルMAXの怪物4体モードをプレイして、ダイスのドラマチックな神展開にギリギリゴールできたことが、このゲームをベスト10入りした理由としては大きいと思う。協力ゲームはレベルMAXにしてギリギリクリアできたときの快感が普通の対戦ボードゲームとは別格の印象を植え付けるので、この経験なしでは、もしかしたらベスト10入りはなかったかもしれないが、それをふまえても、単なるキャラゲーとして収まっておらず、世界観とゲームシステムの見事な調和、王道ゲームシステムを使いながらのほどよいバランス調整など、完成度の高いボードゲームであることは間違いないだろう。
No.007『ビッグシティ20周年記念版』
デザイナー:Prospero Hall
発売年:2019年(オリジナルは1999年)
入手難易度:★
自分がボードゲームを始めた頃(2000年前半)に有名なレアゲーだったものの1つ「ビッグシティ」の20周年記念版。とにかく豪華の一言につきるコンポーネントで箱がでかくて、めちゃくちゃ重いが、その豪華さがベスト10に入る印象に残っていたのは間違いない。
といいつも、実は昔、ドイツに行ったときに見つけたレアゲーで意気揚々として購入するも、重ゲー耐性がほとんどなかった当時の自分には合わず、結局プレイせずに手放してしまった旧版の負い目をやっと拭い去ることができたというエゴスティックな経験からベスト10入りしている可能性も否めなくはない(笑)
そんなこんなあるが、周りにある建物によって得点が変わっていくシムシティのようなゲームシステムや2000年に入る前の日常茶飯事だった直接攻撃的なカードの懐かしさ、今のような豪華ゲームが日常でなかった頃に生まれたこのゲームの魅力的な存在などを想像しながらプレイすると、ベスト10入りするには十分な理由だったかと思う。逆に言えば、そんなマイナーな思い出がなければ、ちょっと豪華な昔のゲームのリメイクくらいにしか見られないかもしれないのは、少し寂しいが仕方のないことかもしれない。
No.008『イッツアワンダフルワールド』
デザイナー:Frédéric Guérard
発売年:2019年
入手難易度:★
ドラフトゲームといえば「世界の七不思議」が代表作だったが、それに匹敵するほどの作品として話題になっていたドラフトゲーム。自分はあんまりドラフトゲームを遊ぶのに前向きではない(ノンリプレイ派なので、何回も遊ぶことが前提になりやすいドラフトゲームはプレイスタイル的に合わない)ので、敬遠していたが、あまりにも話題で品切れにもなるほどの人気だったので、さすがに遊んでみるかと思って、再販できたときに購入してプレイ。
そして、遊んでみたら、まぁ話題になるのは当然ともいえる完成度を誇るゲームで、シンプルながらも奥深く、購入した後にBGAで登場したショックなことも相まって、実物で遊んでからBGAも試しに遊んでみたらのめり込みまくる(思えば、世界の七不思議もあんまり前向きでなかったくせにBGAでドハマリしてベスト10入りした過去もある笑)ほど熱中してベスト10入りに。多分、今年一番遊んだボードゲームだと思う(笑)。
世界の七不思議と違って、確保した建物カードを後から建てられるため、より長期的な戦略をたてることができるのが、このゲームの人気の1つだろうが、その分、後から建てるためのリソース配分のやりくりの魅力の中に、たまに面倒に感じるときもあり、世界の七不思議のシンプルさが改めてすごいと実感したりする狭間で、2つの王道ドラフトゲームそれぞれの魅力が素晴らしいと感じさせてくれる作品だった。
No.009『オルレアン』
デザイナー:Frédéric Guérard
発売年:2014年
入手難易度:★
やっと遊べた名作枠(笑)。この頃は、重ゲーを代表する名作が数多くあったわけだが、当時の自分は重ゲーをするくらいなら、短時間ゲーを何個もやったほうが満足する性分だったので、当時の名作重ゲーは、ほとんどプレイしてこなかった。
中でも、オルレアンのような「中世」というテーマや見た目のイラストのタッチは、なぜかプレイ意欲が掻き立てられない(これといった似たタイプの重ゲーは今も多いが同様の理由であまりプレイする気にならない笑)のだが、このゲーム、どのレビューサイトを見ても「面白い」しか書いておらず、バックビルドの金字塔とも呼ばれるほどの作品になっていたので、日本語版も発表されたことも後押しとなり、さすがにやっておくかと重い腰をあげて、プレイの機会を得た(どんだけ意欲ないのか笑)。
そしてやってみると、想像以上に軽いプレイ感で、最初にいろいろ覚えることは多いが、一度覚えてしまえば、あとは袋からチップを引くワクワクする感覚と、引いたチップを使って、どの戦略でゲームを進めていくかを考える濃密な時間を楽しめるまさに時間が立っても色褪せない名作であることを実感できた。やはり、時を超える名作はテーマやイラストの好みに左右されず、やっておくべきと感じさせられた作品だった。
No.010『レジサイド』
デザイナー:Paul Abrahams & Luke Badger & Andy Richdale
発売年:2020年
入手難易度:★(トランプで代用可能!)
全員で力を合わせて、12人の敵を倒すことを目指す協力ゲーム。なんと、普通のトランプで遊べてしまう!普通のトランプを使って、こんなに盛り上がる協力ゲームを作れてしまうのかと感動してしまったのがきっかけでベスト10入りに。
もともと、トランプゲームのような記号と数字だけを使ったゲームは、テーマや世界観がないため、没入しづらく、そこまで好みではなかったのだが、そんなイメージを払拭してしまうほどのクオリティはお見事。BGAがきっかけで遊んだこともあって、カードにイラストがついていたから、楽しく感じていたことも、もちろんあるだろうが、それをふまえても、この完成度のゲームをトランプで生み出した凄さは変わらないと思う。
トランプの可能性を改めて感じさせてくれるきっかけをくれた作品。もし、遊ぶ場合は4人まで遊べるけど、2人がベスト(ギリギリ3人もいけるかも)で、4人は、ほぼ無理ゲーだと思うので、そこだけ注意しよう。
以上が、ボードゲームソムリエの2022年にプレイした中のベストゲーム10選でした。
今年も一緒に遊んでくださった皆様、ありがとうございました。
今年は協力ゲームが10作中4作のラインナップが意外でしたが、昔よりも一般販売されるゲームが増えたおかげで、入手困難なゲームはほとんどなくなったのも、自分のプレイスタイルに変化がある(昔はとにかくマニアックなゲームを買い集めることに没頭していました笑)ことを実感した1年でした。
来年も素敵なゲームに出会えますように。
by ボードゲームソムリエ Naoki
【注意】入手難易度は執筆時のものです。再販・絶版・流通状況により変わります。